2008年07月15日

所沢の木の家普請中

「所沢の木の家」の普請の記録です。
架構模型

立替による家づくりとなりました。ご家族はご夫妻に成人のお子さん3人。
敷地は23坪で、地下にコンクリートの駐車場を設けて、その上に2階建ての木組みの家を乗せる計画となりました。
狭小な敷地でもあり、北側斜線、道路斜線など法的な条件をぎりぎりクリアしながら、欲しい容積を確保するために立体の形は決まっています。
構造材は、飯能の岡部材木店でストックしている吉野スギで並材4m定尺の5寸角材のみで構成するという、山との連携をテーマにした取り組みになりました。これは、それらの材であれば完全に天然乾燥材で供給してもらえるということからのチャレンジでもありました。
構造材から課せられた条件は、そのまま架構形式に工夫をしなければならないことにもなりました。
また、木をふんだんに使かい、木の持つ吸湿、放湿の性質を十分に生かすために、厚さ4cmの板を壁材として積極的に用いることにもチャレンジしています。
肘木による架構

■主な特徴
・地下駐車場(コンクリート造)
・架構を構成する柱、梁の構造材は4m定尺の5寸角材を主とする。
 ※工事の過程で6寸角材の入手が可能となってこともあり、2階床の主梁のみ断面の
   変更を行う。
・肘木架構による床組構成
・厚板により板壁の構成。外周部および内部にも片面は、そのまま仕上げとする。
・狭いからこそ広く使う、広く感じる工夫による空間計画。(木住研の基本テーマです)
・大工技術の多様性を実感できる木組みの家となっている。
 ※設計段階の意図を工藤棟梁がそれ以上の仕事として取り組んでもらえたことによって、
   木造架構の可能性を見せてもらえた現場となりました。 

設計:一級建築士事務所 木住研
施工:(株)増建
材木:岡部材木店


■主な工程へジャンプ
・基礎工事
・建て方
・屋根工事
・左官工事
・完成

◆全工程いっき読み
※所沢の木の家情報シート



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2008年08月10日

地鎮祭

地鎮祭

この日は天気はよかったのですが、たいへん寒い日で、足元にも霜柱が3cmほどもあって、足元から冷え冷えとしてきました。
緊張感も高まっていたこともあって、より神聖な気持ちになりました。
地鎮祭
着工前に執り行われる地鎮祭は、何度経験しても気持ちの引き締まる思いがします。
現代にあっては形式的なものであるのかもしれませんが、やはり地鎮祭は家づくりには大切な祭事です。
[1997.02.01]
posted by 太郎丸 at 18:33| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月11日

遣り方

地鎮祭の前後には、施主立会いで敷地境界線の再確認と、その基準線から建物位置の確認を行っています。
特に、所沢の木の家の敷地条件は厳しいこともあって、しっかりと確認しておきたいところでした。

遣り方

遣り方貫の高さ決めは、レーザーレベルで行っています。
直角出しはトランシットを使いましたので、正確な墨だしが行われました。

遣り方

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2008年08月12日

基礎工事…地下に駐車場

基礎工事…地下に駐車場
敷地の条件から駐車場は建物の下にしなければなりませんでした。基準法からが斜線で建物全体の高さと立体的な形の制限が出てきます。
可能な限り、駐車場は地下に作りたいわけですが、道路からの進入するための引き込みの勾配など関係からは、そんなに低い位置にもできない場合もあります。
鉄筋コンクリートでしっかりとした箱を作ることで、半地下として駐車場を確保しています。
基礎工事…地下に駐車場
車の出入り口に支障ない程度のぎりぎりに入り口の高さを決めました。1階床スラブにはあえて段差を設けて、各階の階高に問題ないような高さ関係を割り出しています。
このスラブの段差は、1階の居間と和室(寝室)との間の段差として使うことによって、二つの空間を適度に区切りながらも一体的な空間として作ることを可能にしました。

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2008年08月23日

下小屋で 木取り 木配り

木取り、木配り
4mで5寸角のスギといっても1本1本年輪の形も違えば、色合いも表情も違います。
その違いによっては、力のかけ方にも注意しなければなりません。どの面を上に向けるか下に向けるか、室内側にするのかどうなのか。節や割れの出方などにも気を使う必要もあります。
木取り、木配り
1本1本、その素性を見極めてどこにどのように使うのかを決めていくことになります。
今回は特に、梁材も正角材(正方形)を用いますので、断面の形に方向性がありません(一般には長方形断面)ので、その判断には棟梁の経験がものをいうことになります。
木取り、木配り
設計の立場では、棟梁にお任せすることが良い結果を生むことと考えています。もちろん、事前に建物の意図を十分に話して、棟梁からも意見をもらっています。
[1997.04.26]
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2008年08月24日

下小屋で 小屋組の地組み

小屋組の地組み

刻んだ部材をあらかじめ組んで細部の調整をするために小屋組みが地組されました。
屋根の基本の形は切妻ですので、骨組みの組み方等には特殊なこともないと思っていましたが、いろいろ細部で棟梁の工夫があることがわかりました。

s-1997_t05_001.jpg

棟梁は、設計図にボールペンで書き込みして、いろいろな部分で細かな部分の検討をしていることを知り、ちょっと驚きであるとともに、うれしい気持ちになりました。

s-1997_0614_115.jpg

今までに見たこともない部品も目にすることができワクワクしてきました。

s-1997_0705_335.jpg
[工藤棟梁]

[1997.06.14]
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下小屋で 金物を使わないための工夫

金物を使わないための工夫

雇い材により複数の部材を緊結します。
重ね梁を多用するため、重ねた角材同士がズレを生じないように止めつけたり、直交する梁同士を引き合ったり、竿やホゾで組めない部分などいろいろな形状の雇い材が検討されています。
初めて見る形状もあり、どこにどのように使われるのか分からないものもあって、建て方が楽しみです。
posted by 太郎丸 at 17:06| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

継手の治具

継手の治具

下小屋で見つけた治具。この場合は「継手定規」とでも言ったほうがよいのでしょう。
5寸角材を基本構造材としているため、継手の形状は鎌継ぎであったり、追掛け大栓継ぎであったりの違いは、使う場所によって変わっても寸法は一定で考えてよい。合板で定規を作っておけば、墨付けは要領よく正確にできる。
この定規では、追掛け大栓継ぎと目違付きの腰掛け鎌継ぎの墨付けができる。
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2008年08月29日

土台敷き

土台敷き
コンクリートの箱(半地下駐車場)の上にいよいよ建て方が始まります。まずは土台敷き。
平らなコンクリートスラブの上にクリのネコ土台を置いてその上に土台を敷いていきます。
スラブ面は完全な水平であることはありえません。しかし、その上に敷く土台の天端は絶対に水平でなければなりません。そのため不陸の寸法を吸収するためにクリのネコを一枚一枚厚みを微調整しながらの土台敷きとなってしまい、思いのほか時間を要してしまいました。
モルタルなどでネコ部分だけでも水平面を作る工夫をしておいた方が施工性はあげられたという反省を残しました。(次の現場ではこの反省を生かすことになりました)
布基礎であれば、基礎天端は水平を作りやすいこともあり、あまり気にかけることも無かったのですが、コンクリートスラブ面を打設時に一工程で水平に精度よく施工するの少し難しいことでした。
スギの赤身の土台

土台は、地面からの立ち上がりがあったこともあり、他の構造材と同じスギを使っています。スギといっても相当に目の積んだ赤身材で5寸角。
土台敷き

クリは雨にあたると茶褐色のアクが出て、これが基礎の側面にたれてくきます。この日はあいにく雨がパラパラ程度でしたが降ってきてしまいました。
このアクには毎回現場で悩ましく思うことです。特に、土台にもクリを用いるときなど、困りものです。
灰汁でいちど濡らしておくとよいということを聞いたことがありますが、まだ試してはいません。
[1997.07.10]

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2008年09月02日

建て方1 材料の搬入に難渋

敷地いっぱいに建物が建ちます。また、1階部分が高い位置にありますので、材料の搬入や組み立てにはだいぶ難渋しました。
 建て方1
建て方1

胴差などは2材をタテに重ねて組んでいますので部材数も多くなり、その作業を前面の道路で行うことになりました。でも、行き止まり道であったこともあって車の通行を気にする必要がなかったことは幸いでした。
 建て方1
合わせ梁の組み立て
建て方1
 建て方1
建て方1
建て方1
[1997.07.14]
posted by 太郎丸 at 20:23| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月03日

建て方2 板壁を組み込む

所沢の家の特徴の一つは厚い板で壁をつくることです。
厚板で壁をつくるときの施工上の最大のメリットは、建て方が終われば仕上げの壁が完成していることです。両面仕上げにすれば、壁は完全に完成状態になります。
ここでは、板をパネル化するために、裏になる側に桟木をシャクリ込んでビス止めとしています。
これは下小屋でパネル化されました。
板壁を組み込む
板壁を組み込む
板壁を組み込む

落と仕込み板といって、柱の間に1枚づつ重ねていくようにするつくり方もありますが、ここでは厚板の向きはタテ張りとしています。

表になる側は仕上げとなります。外壁側の壁は原則として室内に面しては板の壁による仕上げとなっています。室内では板仕上げの裏側は漆喰仕上げとしています。
板壁を組み込む

パネルは壁1枚単位でつくっていますのでけっこうな大きさになりました。その大きさの分、組み立ては簡単にはいきませんでしたが、精度の高いパネルが骨組みの中にしっかりと納まると、丈夫な軸組みになることが実感されました。

板壁を組み込む 
板壁を組み込む
 
板壁を組み込む 

厚板の材質は、サワラでスギなどと比べると黄味がかっていて、ヒノキに近い色合いです。居間部分の柱には何本かコウヤマキを使いましたので、柱と板壁との色合いが最初から馴染んだ感じとなりました。
posted by 太郎丸 at 11:42| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月05日

建て方3 下小屋で見た雇い材いろいろ

雇い材いろいろ
重ね梁など部材を一体化させるために、ダボや雇いが使われました。
胴差と床梁の渡りアゴ部分をつなぐための十字の雇いは、込み栓で両材をつなぐための工夫です。
十字にせずに1.5〜2寸角程度の角材のままでもよかったようにも思いますが、あえて、棟梁は手間のかかる方法をとっています。
断面の欠損を考えてのことでしょう。
渡りアゴ部分であれば、ある程度の捻じれは押さえ込めるだろうということで、あえて十字にこだわったと理解しています。
雇い材いろいろ
雇い材いろいろ
雇い材いろいろ
雇い材いろいろ


工事前の打ち合わせの時に、「金物は使いたくないんだろう」という棟梁の問いかけに「はい」と答えたことへの回答がこの仕事になったと思っています。
設計では、簡略的に組み立て梁はラグスクリューボルトで緊結するように考えていましたので、結果として精度の高い仕事で現場は進んだことになりました。
青図が真っ赤になって検討されていた内容が目の前に展開しています。
雇い材いろいろ

雇い材いろいろ
posted by 太郎丸 at 12:07| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月11日

建て方4 肘木の架構

肘木の架構

一般に、1階に8畳間を設ける場合は、部屋中央の2階床梁の高さは尺(30cm)以上はほしいところです。その間隔が3尺と細かければ8寸、あるいは7寸などと小さくすることができますが、5寸角材だけで2間(3.636m)の梁間はたわみを考えると相当に厳しい。このため、支点間距離を縮める工夫が必要でした。ここでは肘木の架構で答えを出しました。

肘木の架構
肘木の架構
肘木の架構

その見あげた天井は3尺間隔で床梁を配し、この家の最も特徴ある架構を作ることになりました。
床梁を外側から跳ね上げるようにベランダ側にも肘木を跳ねだし、ベランダの骨組みとしています。

当初、全てを5寸角ということで考えでしたが、2間飛ばしの床梁分に6寸角材が揃うということになり、安全側で考えて、床梁だけは一回り太い角材に変更しました。
結果として、肘木との幅が違ったことは意匠上もよくなっています。ここでは木をふんだんに使うことができたのが、この架構を可能にしています。他でもチャレンジするチャンスがあればよいのですが。

肘木の架構
posted by 太郎丸 at 11:25| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

棟梁のさまざまな工夫

この現場では、さまざまな棟梁の工夫を見せてもらいました。さまざまな形をした雇いもその工夫のひとつでした。一般に木造住宅の構造に用いられる木材の幅は4寸程度ですが、ここでは材料が5寸、しかも角材という材料を使うことによって、仕口や継手に工夫する必要もあったともいえます。特に材幅が通常よりも1寸大きいということが、さまざまな工夫を可能にできる余地があったことがわかりました。4寸角の材料ではできなかったことでしょう。

棟梁のさまざまな工夫
いろいろな形状のホゾ
棟梁のさまざまな工夫
  車知栓部分にも掘り込み
 棟梁のさまざまな工夫梁材として角材を用いることは断面効率的には合理的とはいえませんが、全ての材を5寸角で、となると材料の振り分けや使い回しはしやすくはなったと思われます。ただ、ここでは、設計も施工もいろいろチャレンジすべきことが多いということで、考える時間が必要であったことに変わりはありません。
一般にはヨコ方向の仕口をタテ方向で行う 雇い車知栓打ち 


材の幅が1寸(3cm)増えるということは、ホゾ1枚分の厚みですから1階と2階の管柱を胴差の内側で擦り合わせるなどが簡単(加工の手間はたいへんですが)にでき、細工にまだまだ余裕のあることが実感できました。

棟梁のさまざまな工夫

 管柱のホゾ
芯から偏心している胴差内ですりあわされて、ヨコから
込み栓打ちで一体となる。材幅5寸が可能にした仕口。
  
最近では、太い材の入手が可能になっていますので、山との連携をうまくとれば、この家のためだけに材料をそろえるという事もできるわけです。特に、山の貯木場や製材所などに行けば、丸太を見てから欲しい寸法を考えられるわけですから、なにも4寸であるとか5寸であるとかを先に決めきる必要もないと考えてもよいかもしれません。ただし、これらは実情からいえば特殊なことを要求することになりますので十分に調整をしておくことが大切です。すべてを特殊なルールで行うのか、あるいは行えるのかなどその塩梅が難しいことは毎回の現場で体験することです。

棟梁のさまざまな工夫

所沢の家では、5寸角材で材料を全て揃えられるという最初の条件そのものがだいぶ特殊であったわけです。しかし、家づくりというものは決まった「型」があるわけではありませんし、必ず、その家だけの何かしらの「縁」というものがあるものです。一番は人との出会いです。山には面白い人がけっこういるものです。そこに縁ができれば、きっと美味しい木と出会えるのだと、毎回考え楽しみにしていることです。

棟梁も限りなく工夫してくれたことが、この現場の仕事を見るとよくわかります。その数々。


  棟梁のさまざまな工夫
  この2つのホゾ穴にはどのようにホゾが差し込まれるのか?

棟梁のさまざまな工夫
2つの小さな四角い穴にコミ栓が入るのでしょうが、その相手は?
小口の開き止めを兼ねた細工らしいが。

posted by 太郎丸 at 21:48| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月21日

所沢の木の家完成

 所沢の木に家完成 玄関の見上げ
 所沢の木に家完成 階段踊り場
 所沢の木に家完成 階段からの見下ろし
 所沢の木に家完成
木を組み、肘木の架構で独特の空間を作り出している。
所沢の木に家完成
居間は板壁の空間
裏の廊下側の壁は漆喰塗りとなる。
 所沢の木の家完成
居間と和室の間はちょうど良いステップとして、空間に変化をつけている。
 所沢の木の家完成
和室は8畳の居間と一体となり、逆に引き込まれたふすまを閉めれば
独立性が高まる。
 所沢の木の家完成
斜線により低く抑えられた軒桁のために折れ屋根状の面白い空間となった
 所沢の木の家完成
 所沢の木の家完成
2段のデッキは外縁として室内空間の延長
 所沢の木の家完成
ツートンカラーの外壁のしつらえ
 所沢の木の家完成
玄関前のアプローチ階段
 所沢の木の家完成
土間に埋め込んだ那智石
posted by 太郎丸 at 00:00| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月02日

テスト送信2018-0302

テスト送信2018-0302
posted by 太郎丸 at 12:52| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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