2009年02月13日

棟梁のさまざまな工夫

この現場では、さまざまな棟梁の工夫を見せてもらいました。さまざまな形をした雇いもその工夫のひとつでした。一般に木造住宅の構造に用いられる木材の幅は4寸程度ですが、ここでは材料が5寸、しかも角材という材料を使うことによって、仕口や継手に工夫する必要もあったともいえます。特に材幅が通常よりも1寸大きいということが、さまざまな工夫を可能にできる余地があったことがわかりました。4寸角の材料ではできなかったことでしょう。

棟梁のさまざまな工夫
いろいろな形状のホゾ
棟梁のさまざまな工夫
  車知栓部分にも掘り込み
 棟梁のさまざまな工夫梁材として角材を用いることは断面効率的には合理的とはいえませんが、全ての材を5寸角で、となると材料の振り分けや使い回しはしやすくはなったと思われます。ただ、ここでは、設計も施工もいろいろチャレンジすべきことが多いということで、考える時間が必要であったことに変わりはありません。
一般にはヨコ方向の仕口をタテ方向で行う 雇い車知栓打ち 


材の幅が1寸(3cm)増えるということは、ホゾ1枚分の厚みですから1階と2階の管柱を胴差の内側で擦り合わせるなどが簡単(加工の手間はたいへんですが)にでき、細工にまだまだ余裕のあることが実感できました。

棟梁のさまざまな工夫

 管柱のホゾ
芯から偏心している胴差内ですりあわされて、ヨコから
込み栓打ちで一体となる。材幅5寸が可能にした仕口。
  
最近では、太い材の入手が可能になっていますので、山との連携をうまくとれば、この家のためだけに材料をそろえるという事もできるわけです。特に、山の貯木場や製材所などに行けば、丸太を見てから欲しい寸法を考えられるわけですから、なにも4寸であるとか5寸であるとかを先に決めきる必要もないと考えてもよいかもしれません。ただし、これらは実情からいえば特殊なことを要求することになりますので十分に調整をしておくことが大切です。すべてを特殊なルールで行うのか、あるいは行えるのかなどその塩梅が難しいことは毎回の現場で体験することです。

棟梁のさまざまな工夫

所沢の家では、5寸角材で材料を全て揃えられるという最初の条件そのものがだいぶ特殊であったわけです。しかし、家づくりというものは決まった「型」があるわけではありませんし、必ず、その家だけの何かしらの「縁」というものがあるものです。一番は人との出会いです。山には面白い人がけっこういるものです。そこに縁ができれば、きっと美味しい木と出会えるのだと、毎回考え楽しみにしていることです。

棟梁も限りなく工夫してくれたことが、この現場の仕事を見るとよくわかります。その数々。


  棟梁のさまざまな工夫
  この2つのホゾ穴にはどのようにホゾが差し込まれるのか?

棟梁のさまざまな工夫
2つの小さな四角い穴にコミ栓が入るのでしょうが、その相手は?
小口の開き止めを兼ねた細工らしいが。



posted by 太郎丸 at 21:48| 所沢の木の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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